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子育てコラム

第2回
スマホやゲームのこと
(持たせる時期や使い方)
~思春期子育てダイアログ~

特定非営利活動法人ワークライフ・コラボ 代表理事
堀田 真奈

親だって人間だもの ~思春期子育てダイアログ~

思春期(※注1)の子どもとのやり取りは、修行だ!

「子どもの成長段階は、妊娠期・乳幼児期・学童期・思春期・青年期、とあります。
視野も行動範囲も広がり、論理的思考もできるようになった思春期の子どもとのやり取りは、大人にとって試されることばかり。学び(修行)です。

脳の発達が大人と同レベルになった純粋な子どもたちには、いい加減な声がけや指示命令は通用しません。

「あとでね。」「あとっていつなん?!この間も言うたやん!」
「片づけたら?」「言われてやるんはイヤなんよ!」「お母さんだって片づけてないやん!」
・・・。

「思春期子育てのサポートも欲しいよね。」そんな声も多く聞いてきましたし、私もその当事者。
このコラムでは、なかなか情報として見えづらい『思春期子育て』について分かち合いたいと思います。

スマホやゲームのこと(持たせる時期や使い方)

子どもたちにとって、スマホやゲームは乳幼児期から目の前にあり、日常のツール。
完全に切り離して与えない、も、早々に手渡す、も、なんか違う気がする。

子どもが小学校高学年の頃に「クラスのグループLINEがあるんよ。」「部活のLINEがあるんよ。」と聞いて衝撃が走ったのは私だけでしょうか。

「みんなどうしてるん?」と、周囲の親に聞いたり、ネットで検索したりしてみても、スマホを渡すタイミングも使い方のルールも決め方は様々。

愛媛県教育委員会の統計(2024年度 ※注2)によると、「携帯電話やスマートフォン、ゲーム機等、インターネットが利用できる自分専用の機器を所有している児童生徒」は小学校4~6年で約94%、中学校で約97%であり、ほとんどの児童生徒が自由にインターネットを利用できる環境にあるようです。

これは、2021年頃からの学校での1人1台のタブレット端末の整備(GIGAスクール構想)や新型コロナでの生活の変化で、タブレット端末に触れたりビデオ通話をする機会が増えたりしたことも影響したと思います。

「みんなiPodとかスマホ持っとんよ!LINEに入ってないのは私だけ。」「みんなって何人よ!」と、10年前に小5だった娘と、出口のない稚拙な口喧嘩から、何をいつ持たせるのか悩んでいたことを思い出しますが、もはや小学校高学年で何らかのツールを持つのは当たり前。10年前、すなわち今の大学生世代が子どもの頃とも大きく環境が違うことがわかります。

スマホを持つメリット、デメリット

身近な親たち、ワークライフ・コラボの会員さんに聞いてみたところ、下記のような意見がありました。

<メリット>

  1. 連絡がとりやすい・安全確保(私もここからスタートしました)
    • 塾や習い事、部活の終了時間変更や、急な体調不良などでもすぐに連絡できる。
    • 災害時や迷子の時に位置情報で居場所が分かる。
  2. 調べ学習や情報収集が容易
  3. コミュニケーションの幅が広がる
    • 離れている家族や友達とLINEやビデオ通話で交流できる。
    • グループ活動や部活連絡をスムーズにできる。
  4. デジタルリテラシーの早期習得
    • 使いながら、情報モラル・ネットマナーを身につけられる。(親も反省しつつ)
    • 将来必要なITスキルの基礎になる。

<デメリット>

  1. 依存・中毒のリスク(だからこそルールがいる)
    • ゲームやSNSで使用時間が長くなり、睡眠や学習時間減少
  2. トラブルや犯罪に巻き込まれる可能性
  3. 現実の人間関係・体験の減少

デジタルに強いのは、いまの子どもたちの強みでもあります。
私のママ友のこんな助言が、私の視野を広げる一つになりました。

「スマホ以外に子どもがやりたいことや居場所があれば、スマホだけに籠らない。なんでもダメダメじゃなく、子どもを信じてみるのも大事。」
本当にそうだな、と。そして自分のスマホの使い方や向き合い方も、子どもが見ているんだと気づきました。(ドキドキ)

※注1 思春期とは:身体的には二次性徴の出現から性成熟までの段階のことをいい、精神的には子どもから大人へ向かって自我の発達の時期ならびに自己認識パターンの確立段階、性的欲求が出現し、さらに社会的、経済的には、相対的な依存状態から完全に自立するまでの過渡期のこと。平均的には、女性では8~9歳頃から17~18歳頃まで、男性では、11~12歳頃から18~19歳頃(WHOの定義による)

※注2 愛媛県教育委員会の統計:携帯電話・インターネット等に関する調査について[概要](外部サイト)

堀田 真奈

堀田 真奈

  • 特定非営利活動法人ワークライフ・コラボ 代表理事
    https://www.worcolla.com/(外部サイト)
  • 国家資格キャリアコンサルタント
  • 県外大学2年生の娘・野球小僧の中学3年生息子の母。
  • 共働き共育て(お金がかかって大変です)