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2020/05/08

愛媛県における今後の新型コロナウイルス感染症に対する新たな対応方針「感染第二波への対処戦略」について

県民・事業者の皆様へ

令和2年5月8日 
愛媛県知事 中村 時広 

愛媛県における今後の新型コロナウイルス感染症に対する
新たな対応方針「感染第二波への対処戦略」について

 5月4日、新型コロナウイルスに対する特別措置法に基づく国の緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。特措法による緊急事態措置の実施は、都道府県知事の責任において行うこととされています。
この延長に対しては、他県では直ちに措置の緩和等を行ったところもありますが、本県では、
・周辺地域の対応により、本県への人の流れが変わる可能性があること
・医療、経済、教育など、それぞれの現場への影響を見極め、関係者の声を丁寧に伺ったうえで、判断を行うべきと考えたこと
・連休中の人の動きを踏まえ、感染リスクを慎重に見極める必要があったこと
から、本日まで慎重に検討させていただきました。

本県では、これまで、感染拡大防止のため、水際対策や感染拡大回避行動をお願いするとともに、県立学校の休業や県管理施設の閉館など県民の皆様に痛みを伴う対策を実施してきました。4月27日以降は、県外からの流入を防止するため、遊興・遊技施設に対する休業協力要請にも踏み切り、特にゴールデンウィーク期間中は、不要不急の外出自粛等について強く要請してまいりました。
 これまでの対策により、県内では、5月2日に濃厚接触者の感染が1名確認されたものの、既に関係者の囲い込みを図っていた事例であり、全く新しい感染事例は4月21日以降発生していません。
また、心配していた大型連休期間中の人出についても、県民や事業者の皆様の賢明な判断と自制心ある行動により、全体的には7、8割程度は人の動きが抑制されていました。
 医療、経済、学校等の様々な方々からも意見を伺い、今後、どのような対応をとるべきか検討してまいりました。県内各方面の現状や意見を幅広く聞けば聞くほど、知事として、また一個人として、本当に悩みに悩みましたが、これは、自粛や休業を続けるのか、それとも全面的に再開するのかといった二者択一ではどうしても解決しない課題であるとの思いに至りました。
 新型コロナウイルスの抑え込みを図り、あるいは新たに発生した感染事例は徹底的に囲い込みを行いながら、同時に、皆が愛顔になれる県民生活や経済活動を続けられる道、教育活動を再開する道は、困難を伴いますが、未来に続く新しい道であると信じています。

こうした思いの下、現時点で感染の封じ込めができている本県の状況等を踏まえ、今後の本県の新たな対応方針を、別添のとおり「感染第二波への対処戦略」としてとりまとめました。ぜひご一読いただき、皆様のご理解、ご協力をいただきますようお願いします。
戦略のポイントは次のとおりです。

【感染状況等に応じた警戒レベルの設定】
 県内の警戒レベルを感染状況等に応じ、「感染縮小期」、「感染警戒期」、「感染対策期」の3つに区分し、感染予防と社会経済活動のバランスをとった対策を講じます。また、警戒レベルの移行に当たっての指標と判断基準を定めます。
 5月11日以降は、「感染対策期」から、「感染警戒期」に移行し、県民活動や経済活動を条件付きで再開するなどの配慮をしつつ、感染拡大の回避を図ります。

【5月11日以降の緊急事態措置】
〇県民の行動自粛
これまでは県内外問わず、不要不急の外出は行わないよう県民の皆様に要請してきました。
今後は、県をまたぐ移動、特に感染拡大地域(国が指定する特定警戒都道府県)への外出自粛については、引き続きお願いするものの、県内の移動については、緩和します。
また、全国一律の国の方針に基づき、施設の構造や業態の面から3密回避ができていない繁華街の接待を伴う飲食店への外出自粛については、引き続き要請します。

以上を踏まえ、県民の皆様には、次のとおり「感染拡大回避行動」として心がけていただくようお願いします。
〔感染拡大回避行動〕
◇「うつらないよう自己防衛!」
こまめな手洗いや定期的な換気、十分な栄養と休養で健康管理 など
◇「うつさないよう周りに配慮!」
体調不良のときは自宅療養、他人と接するときは距離をとる など
◇「県外の外出自粛と3密回避!」
都道府県をまたいだ移動の自粛、3密となる場所への外出自粛
特に感染拡大地域や繁華街の接待を伴う飲食店等への外出自粛 など

〇遊興・遊技施設への休業要請
 基本的には休業要請を延長しますが、次の感染防止対策を講じている場合には、休業要請の対象外とします。
 ◇対策1:ウイルスを持ち込まない
  ・県外客や、発熱や咳などの症状のある方に対して、利用の自粛を呼びかける
  ・発熱等の症状のある従業員は休暇を取得させる など
 ◇対策2:ウイルスを広げない
 ・感染者が発生した場合に備えて利用者の連絡先を把握する 又は
  ・不特定多数のクラスター発生の懸念がある場合、店名等を公表し利用者に呼びかける
 ◇対策3:「3密」を回避する
  ・3密を回避するため、施設の環境整備、来客数の制限等の措置、利用者への協力要請、
従業員の感染予防策等を講じる
 ※対策1~3を実施していることを店舗に掲示する

〇イベント等の実施
 全国的な大規模イベントは引き続き自粛を要請しますが、50人以内のイベント等は、感染防止対策を講じた上で、実施することができます。

〇その他
 観光施設等の集客施設やスーパーマーケット等に人が集中する恐れがある場合の入場制限等については引き続き要請します。
 なお、飲食店をはじめ、劇場や映画館、スポーツ施設など、遊興・遊技施設以外の施設は、これまで同様、休業要請の対象外です。3密回避に気をつけながら、施設を利用してください。

【えひめ版協力金】
都道府県をまたいだ移動の自粛と3密回避をしっかりと行うため、パッケージメニューの一部を5月31日まで延長します。また、対象事業者を拡大し、全国チェーン店のうち、本部から独立して経営しているフランチャイズ店も対象とします。

【県立学校】
県立学校長に対し、「再開」か「再開延長」の2択で問うたところ、双方の意見がありましたが、「段階的再開」を加えた3択で問い直した結果、全ての学校長が「再開」を希望したことから、私が教育委員会に学校の「段階的再開」を要請し、本県独自の方式による県立学校の「段階的再開」に、5月11日から踏み切ることとしました。
5月11日から、可能な限りの感染予防策を講じた上で、「学年別分散登校」を開始し、2週間後の5月25日からは、県内一斉に全ての県立学校の全面再開を目指すこととします。

【県管理施設等】
 5月11日以降、感染拡大防止対策(①3密を避ける、②体調不良の方は参加させない、③感染拡大地域(特定警戒都道府県)から来県・帰県し、2週間経過していない方が参加していないなどの条件)をさらに徹底して、順次開館します。
ただし、障がい者更生センターやファミリーハウスあい、にぎたつ会館の宿泊施設については、5月31日までは、県外客の利用自粛を要請します。

【最後に】
感染予防と社会経済活動のバランスを保つためには、サービスを提供する事業者の皆様と、サービスを利用する県民の皆様の双方の努力が不可欠です。どちらが欠けても成り立ちません。
 県民の皆様には、現在も警戒期であることを念頭に、「感染拡大回避行動」や「県外の外出自粛と3密回避」に心がけてください。なお、飲食店をはじめ劇場や映画館、スポーツ施設等については、「自己防衛」や「周りに配慮」に気を付けながらご利用ください。
また、医療や介護・福祉をはじめ、公共交通や物流、スーパーや小売、清掃など、感染リスクに直面しながら地域の生活基盤を支える方々の献身的な取組みに対して、ご理解をお願いします。民放4社にご協力いただき、こうした方々への応援メッセージ動画も5月10日から放映されることとなっていますので、ぜひご覧ください。
なお、他県では、県外ナンバーの乗用車に対する嫌がらせ等も報道されています。他県ナンバーでも、他県に住まい県内で勤務する方や、転勤でいらした方など愛媛で暮らす人もいらっしゃいます。ナンバープレートに着目すること自体が的外れですし、もとより、差別・偏見は感染を防ぐために何の役にも立たず、害になるばかりです。他人を攻撃するのではなく、手を繋ぐことに心を向けていただきたいと思います。
事業者の皆様のうち、休業要請の対象となる遊興施設、遊技施設の関係者の方々には、今回お示しした3つの要件を踏まえてご判断いただくようお願いします。
その他の事業者の皆様についても、テレワークや時差出勤の積極的な導入により、感染予防と社会経済活動の両立を図っていただくとともに、本県独自の協力金制度を活用した新たな事業展開を行っていただけることを期待しています。
県では、引き続き全庁あげて感染拡大の防止に力を注ぐ所存です。今後とも、県民や事業者等の皆様の一層の御理解と御協力をお願いします。

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