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行政

2020/03/25

愛媛県内における新型コロナウイルス感染症の状況等について

県民の皆様へ

令和2年3月25日 
愛媛県知事 中村 時広 

愛媛県内における新型コロナウイルス感染症の状況等について

県では、3月6日に県民の皆様に「愛媛県内における新型コロナウイルス感染症の状況等について」をお送りし、県内における状況のご説明等を行ったところです。その後も国内における新型コロナウイルスの感染者の発生や、海外での感染拡大の様子が連日報道されており、県民の皆様も不安を感じておられるものと思います。
3月19日に開催された国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において、現時点では、全体としては引き続き持ちこたえているものの、今後、地域において、感染源が分からない患者が継続的に増加し、こうした地域が全国に拡大すれば、爆発的な感染拡大(オーバーシュート)を伴う大規模流行につながりかねないと分析され、これらの状況を踏まえ、国や自治体、国民の皆様等に対しとるべき対策等の提言がなされたところです。
本県におけるこれまでの状況と県民の皆様に気を付けていただきたい事項等は、以下のとおりです。

1.これまでの状況
本県では、3月17日(火)に3例目の感染者が松山市で確認されました。ご本人はイタリア滞在中から咳の症状があり、この時点から終始マスクを着用され、帰国後は、ご自宅まで車で移動し、ご家族も含めご自宅からの外出を控えるなど、他の方に感染を広げないために極めて冷静・適切に行動していただきました。ご本人にはお見舞いとその行動に対して感謝を申し上げます。なお、3月20日(金)までにご家族及び航空機内の座席が近い方のご協力をいただき、検査を行った結果、全員陰性であることを確認しました。
これらの方々を含め、3月25日(水)午前10時現在で、県全体でウイルス検査を219件実施し、陽性と判定されたのは3件のみで、216件は陰性です。
これまでの検査結果については、次の表のとおりです。



 これまでの3例とも、濃厚接触者や、濃厚接触者ではないものの関係者の方々へ検査を行い、全て陰性が確認されており、その後の健康観察でも特段の変化はありません。調査にご協力いただいた方々に感謝申し上げるとともに、県内での感染の拡大は生じておりませんので、県民の皆さまにはご安心いただければと思います。
本県では、医師の適切な診断に基づき、全ての検査要請に対応しております。加えて、接触者等については、国の基準では対象ではない方々への独自の検査も行っております。
 3月12日より、検査機器を追加導入するとともに、愛媛大学の協力も得て、検査を行う職員の体制も拡充しました。
 また、万が一の感染拡大に伴う入院患者の増加に備え、当初は20床であった入院病床数について、現在は約70床を確保しており、更に100床まで拡大するよう取り組んでいます。

2.イベントや施設運営などの取り扱い
新型コロナウイルス感染症の収束のためには、一定の期間が必要となるかもしれません。一律に全ての社会・経済活動を自粛することは、地域社会に大きなダメージを与えることにもなりかねません。
国の専門家会議の提言では、全国規模の大規模イベント等を通して各地への感染拡大に繋がるとの懸念が示されたことを受けて、県主催の大規模イベント等については、引き続き、慎重に対応することとします。また、高齢の方々や基礎疾患を有する方など重症化リスクの高い方向けのイベントは小規模であっても同様の取り扱いとします。
また、この提言では、地域によって異なる感染状況を踏まえて、地域の感染状況別に感染拡大防止と社会・経済機能への影響とのバランスをとって対応していく必要があるとの考えが盛り込まれました。本県ではこれまでに確認された3事例において、ご家族をはじめ接触者等への感染はなく、現時点で、県内で感染が拡大している状況にはありません。 
このため、社会経済活動をできるだけ自粛するのではなく、「必要なものは、徹底的に感染症予防に注意を払ったうえで実施する」という考え方に切り替えていきます。大規模イベント以外は、「換気が悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話する密接場面」という3つの状況が同時に重なる場を徹底的に回避した上で、学校における様々な活動や、屋外でのスポーツやスポーツ観戦、文化・芸術施設の利用など、感染拡大リスクの低い活動から実施していくこととしました。
イベント主催者の皆様には、
(1) 参加者の健康状態の確認や、手洗い、消毒、飛沫感染対策等の適切な感染予防対策
(2) 密閉空間・密集場所・密接場面など、クラスター感染発生リスクが高い状況の回避
(3) 感染が発生した場合の参加者への確実な連絡と行政機関の調査への協力
などに十分、留意していただき、県と同様の対応をお願いします。
なお、今後、本県において感染拡大の兆しが見られた場合には、今回の方針に変更があることを申し添えます。

3.県民の皆様へのお願い
これまでに明らかになったデータから、集団感染が確認された場に共通するのは、「換気の悪い密閉空間」「多くの人が密集していた」「互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われた」という3つの条件が同時に重なった場(屋形船、スポーツジム、ライブハウス等)ということが国の専門家会議の報告書でも指摘されています。
2.のとおり、必要な社会経済活動は徹底的に注意を払ったうえで行う考え方に切り替えていきますが、国内では、連日、感染者が発生している地域もあり、愛媛県でも同様の事態になるおそれもあります。県民の皆様も決して気を緩めることなく、以下の3つの条件が重なる場を徹底的に回避していただくようお願いします。
条件1:換気の悪い密閉空間
条件2:多数が集まる密集場所
条件3:間近で会話や発声をする密接場面
  また、引き続き県民の皆様には、以下のことをお願いします。
① 基本的な感染予防対策
・「咳エチケット」、「手洗い」
・一人一人が体調管理に気を付け、発熱等の風邪症状がある場合にはできる限り外出を控えること
② 正しい情報に基づく行動
・37.5度以上の発熱が4日以上続くなどの症状のある場合には、帰国者・接触者相談センターに相談していただくこと
 ・物資不足等の根拠のない情報に基づく行動はしないこと
 ・県の情報に基づき冷静に落ち着いて行動すること
 ・入院患者を受け入れる感染症病床については、院内感染対策を十分に行っており、感染の恐れはないため、一般の患者も安心して受診していただけること
③ 高齢者施設や医療機関への訪問・面会の自粛
・重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある方の感染を防ぐため、高齢者施設や医療機関への訪問及び面会を自粛すること
④ テレワーク・時差出勤・休暇取得への配慮 
・企業・事業所におけるテレワークや時差出勤の積極的な活用の促進を図ること
・休校中のお子さんのおられる従業員への経営者の配慮
・発熱等の風邪症状がみられる従業員の休みやすい環境整備に努めること

4.中小企業等の方々へ
新型コロナウイルスの感染拡大により、県内の中小企業者の経営にも大きな影響が生じています。
県では、今般国が創設した日本政策金融公庫等による「新型コロナウイルス感染症特別貸付」(無利子・無担保融資) の迅速かつ積極的な利用が、支援の鍵を握るとの考えから、県独自に東・中・南予の各地域に「新型コロナウイルス感染症対策特別支援員(仮称)」を配置し、事業者の皆様に寄り添ったきめ細かな相談や各種支援制度の申請手続きをサポートする体制を整備いたします。
この特別貸付について、昨日開催した「新型コロナウイルス感染症に係る経済対策連絡会議」において、県内金融機関代表者からも地域経済の下支えにとってありがたい制度であり、地域金融機関としても積極的な周知を行うなど、連携して円滑な資金供給に努めたいとの表明がありました。お困りの中小企業等の方々におかれましては、積極的な活用をお願いいたします。
加えて、事業活動に支障が生じている中小企業者等の方々の円滑な資金繰りを支援するためには、資金調達の選択肢を広げることも重要と考え、特別貸付を受けた事業者への追加融資を念頭に、県内金融機関と協調した県単独の感染症対策資金として、運転資金5千万円を限度とし、県が信用保証協会の保証料を全額補助する低利貸付制度を設けます。
このほか、国の「雇用調整助成金」に対して、県が独自に上乗せして事業者の皆様に助成する制度も用意しています。是非ご活用いただき、雇用の維持に御理解・御協力いただきますようお願いいたします。
これらの制度につきましては、県ホームページでも順次公表してまいりますので、ご覧ください。 

5.最後に
3月6日にお送りした前回の文書では、「私たちが西日本豪雨災害で学んだのは、人の絆の強さであり、大切さです。ウイルスを過度に恐れ、地域で共に生きる方々を攻撃・排除したり、傷つけたりするのではなく、むしろ今こそ他人を思いやり、皆で手を取り合って、この不安と危機に対処していきましょう」と呼びかけました。県内外の多くの方々から共感の声をいただき、大変心強く思います。
国の専門家会議の提言においても、「感染者、濃厚接触者とその家族、この感染症の対策や治療にあたる医療従事者とその家族に対する偏見や差別につながるような行為は断じて許されません。誰もが感染者、濃厚接触者になりうる状況であることを受け止めてください。」と記されています。
本県で発生した3例の感染者も、その関係の方々も、ご自身の感染の有無が分からない不安の中で、県民の皆さんの不安を解消するために、快く検査に応じていただき、また、結果判明後も健康観察への協力や日常生活で外出を控える・マスク着用や咳エチケット等に気をつけていただいています。医療機関や福祉施設で勤務する方々、連日PCR検査を行う県衛生環境研究所の職員、保健所をはじめ県や市町の職員など、関係する誰もが感染拡大の防止に向けて、常に緊張感を持って懸命に働いています。県民の皆様も、不安に駆られた行動や、不確かな情報の拡散、感染の関係者などの攻撃・排除を行うのではなく、感染予防のための行動の習慣化や、いたわりと支え合いの気持ちを大切にしていただき、皆で手を取り合って感染の拡大を防ぎ、地域の絆を強くする輪に、加わっていただきたいと思います。
県では今後とも、検査結果の公表、迅速な対応を行っていきます。また、仮に県内において感染の拡大がみられ、県の考え方を変更する場合には速やかにお知らせいたしますので、皆さんのご理解とご協力を切にお願いいたします。

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